難聴は誰にでも起こる病気です。
- 耳鼻咽喉科

今回は、「聞こえ」についてお話ししたいと思います。聞こえづらさは年のせいだと諦めてしまっていませんか? 実は、放置してしまうと様々なリスクがあることが分かっています。
「難聴」は誰にでも起こりうる身近な問題です。
現在、国民の約10%にあたる1,430万人ほどいると言われます。耳の聞こえは、年齢とともに程度の差はあれ、必ず悪くなっていきます。加齢のほかに、耳の病気やこれまでの生活環境も難聴の原因となります。
加齢が原因で起こる難聴は「加齢性難聴」と呼ばれますが、初期には自分で気づきにくいケースが多いという特徴があります。
他人に指摘されて初めて「そうかな?」と思うことが多いのです。難聴は40代から60歳にかけて徐々に進み、65歳以上に急増することが分かっています。75歳以上ではなんと7割以上との報告もあります。
なぜ聞こえが悪くなるのでしょうか?
主な原因は、耳の奥にある内耳の機能低下です。特に音の振動を感じる有毛細胞が年齢とともに壊れやすくなり、一度死んでしまった細胞は二度と再生しないため、加齢性難聴は自然に良くなることはありません。
「年のせい」と諦めない
「年のせい」と諦めずに、とにかく早めに耳鼻科を受診していただきたいと強く考えています。
難聴が進むことによって、コミュニケーションが難しくなり孤立につながる、外出先で危険を感じることがある、災害時の警報が聞こえないなど命に関わる場合もあるからです。
さらに、難聴を放置しておくと「認知症」を引き起こす可能性も報告されています。これらのリスクを避けるため、「補聴器」などで聞こえを補うことが非常に大切なのです。
聞こえをセルフチェックする
加齢性難聴は自覚しにくいからこそ、定期的にご自身の聞こえをセルフチェックすることをおすすめします。
今はスマートフォンやパソコンで簡単にチェックする方法があります。「聴力検査」と検索すると様々な方法が出てきます。
例えば、東京医療センターが作成しているオンライン聴覚検査があり、日本語で無料で使えます。
加齢性難聴の進み具合を確認したい方には「語音チェック」をおすすめします。普段会話する場所の雑音に合わせてノイズレベルも選べます。
70歳以上の方ではノイズが弱くても聞き間違いが多くなる傾向があるようです。この検査は「東京医療センター」「オンライン聴覚検査」と検索すると見つかります。
こうしたセルフチェックを定期的に行い、もし聞こえが悪いと思ったら、早めに耳鼻科を受診していただきたいと思います。
まとめ
耳が遠くなる加齢性難聴、セルフチェックで早期発見し、早めに対処することが非常に重要です。
聞こえづらさ、年のせいだと諦めずに、ぜひ一度ご自身の聞こえを確認してみてください。当院でも、聞こえに関するご相談を承っております。気になることがあれば、どうぞお気軽にご来院ください。