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帯状疱疹ワクチンが大きく変わります ~2025年4月から定期接種に~

地域の皆様、こんにちは。上田診療所院長の上田です。

今回は、皆様の健康を守るために非常に大切な情報、帯状疱疹ワクチンについて、2025年4月からの大きな変更点も含めてお話しさせていただきます。

帯状疱疹は、多くの人が子どもの頃にかかる水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こります。

一度治ってもウイルスは体の中に潜んでいて、加齢やストレスなどで免疫力が低下すると、再び活動を始めて発症します。

体の片側にピリピリとした痛みや赤み、水ぶくれができ、その痛みは非常に強く、生活に支障をきたしたり、治療後も「帯状疱疹後神経痛」として痛みが長く残ることもあります。

このような辛い帯状疱疹の発症や重症化を防ぐためのワクチンについて、重要な変更がありましたのでお伝えします。



これまで、帯状疱疹ワクチンはご希望の方が受ける「任意接種」でした。

しかし、2025年4月からは、予防接種法に基づいた「定期接種」の対象となることが決まりました。

これにより、対象となる方々は、ワクチン費用の一部または全額が公費(自治体)によって助成されるようになります。

予防接種を受ける際の費用の負担が軽減され、より多くの方が帯状疱疹予防の機会を得られるようになることが期待されます。



2025年度から帯状疱疹ワクチンの定期接種の対象となるのは、主に以下の年齢の方々です。

•年度内に65歳となる方

•年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、または100歳となる方(2025年度から5年間の経過措置があります)

•100歳以上の方(2025年度のみ)

•その他、60~64歳で特定の免疫機能の障害がある方

ただし、自治体によっては、過去に帯状疱疹ワクチンを接種したことがある方は、上記の年齢であっても定期接種の対象にならない場合があります。



現在、帯状疱疹を予防するためのワクチンには、大きく分けて2種類のワクチンがあります。

1.生ワクチン(ビケン)

2.組換えワクチン(シングリックス)

これらのワクチンは、効果の高さや接種回数、費用、そして副反応の出やすさなどに違いがあります。

生ワクチン(ビケン)組換えワクチン(シングリックス)
接種回数1回12回 (通常2ヶ月間隔で接種)
有効率帯状疱疹予防効果:接種後1年で約6割帯状疱疹予防効果:接種後1年で9割以上、接種後10年でも約7割
副反応比較的少ない。全身性の副反応は1~5%未満。多い傾向。注射部位の痛みや腫れに加え、
頭痛(28.3%)
筋肉痛(36.9%)
疲労(34.6%)
悪寒(21.4%)
発熱(16.7%)
などが報告されています。これらは新型コロナワクチンの副反応に似ており、人によっては辛く感じることがあります。通常は1~3日程度で治まります。
費用比較的安い比較的高い
専門家の意見予防効果の高さとその持続期間から推奨するのが合理的という意見があります。

どちらのワクチンを選ぶべきかについては、ご自身の年齢、健康状態、費用に対する考え方、そして期待する効果などを考慮して、医師とよく相談することが非常に大切です。



定期接種化により公費助成の対象となりますが、自治体によって助成の対象者、金額、条件などが異なる場合があります。

お住まいの市区町村のホームページや広報誌で最新の情報をご確認ください。

また、定期接種の対象年齢ではない50歳以上の方も、任意でワクチンを接種することができます。

多くの自治体では、以前から50歳以上の住民を対象とした独自の助成制度を実施しており、2025年度以降もそれを継続するかどうかも自治体の判断によって異なります。



予防接種を受けた後に、まれに健康に影響が出てしまう場合があります。

その際の補償については、接種が「定期接種」か「任意接種」かによって適用される制度が異なります。

•定期接種として接種した場合:
予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度の対象となります。

•任意接種として接種した場合:
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく医薬品副作用被害救済制度などの対象となります。

接種を検討される際は、定期接種の対象となるか否かによって、万が一の際の救済制度が異なることも理解しておくことが重要です。



•過去に帯状疱疹にかかったことがある方:
症状が治まっていればワクチン接種は可能です。

通常、発症から約1年後が接種の目安と考えられています。帯状疱疹にかかっても再発することがありますので、ワクチンによる予防は有効です。

•すでに帯状疱疹ワクチンを接種したことがある方:

生ワクチン(ビケン)を接種済みの場合、組換えワクチン(シングリックス)を接種することも可能ですが、生ワクチンの効果を考慮し、1年から数年空けて接種することが一般的です。

組換えワクチン(シングリックス)を2回接種済みの場合は、現時点では再接種に関するデータはありません。



帯状疱疹の発症率は50歳代から高くなり、70歳代でピークを迎えます。医学的には、帯状疱疹ワクチンは50歳以上で接種することが望ましいとされています。

2025年4月からの定期接種化で、特に高齢者の方々はワクチンを受けやすくなりますが、どのワクチンを選ぶべきか、ご自身の状況でいつ接種するのが良いか、費用はどのくらいかかるのか、そして救済制度の違いなどを解説させていただきました。

当クリニックでは、以下のように帯状疱疹ワクチンを接種予約をしておりますのでご利用ください。

シングリックス:ネット予約

生ワクチン(ビゲン):電話予約

よろしくお願いいたします。

定期接種助成は23区での乗り入れ可能です(区外での医療機関での接種が可能)。
任意接種の帯状疱疹ワクチンは、区独自の助成事業となるため、原則、区内の協力医療機関での接種が助成対象となります。


参考資料
東京特別区民の令和7年度の自己負担額(帯状疱疹定期予防接種)(単位:円)

不活化ワクチン
(シングリックス)
生ワクチン
(ビゲン)
千代田区00
中央区10,0004,000
港区00
新宿区10,0004,000
文京区10,0003,000
台東区11,0004,000
墨田区11,0004,000
江東区11,0004,000
品川区11,0004,000
目黒区10,0004,000
大田区11,0004,000
世田谷区10,0004,000
渋谷区00
中野区11,0004,000
杉並区11,0004,000
豊島区11,0003,000
北区11,0004,000
荒川区11,0004,000
板橋区11,0004,000
練馬区11,0004,000
足立区00
葛飾区00
江戸川区11,0004,000

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