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「高血圧の基準が160になった?」というウワサについて

こんにちは、上田診療所の院長の上田です。

最近、患者さんから

「高血圧の基準が160/100に変わったって本当ですか?」
と聞かれることが増えてきました。

たしかに、ニュースやSNSなどでそんな話題を目にした方も多いかもしれません。でも、これは誤解です。

現在も、高血圧の診断基準は収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上です。
これは「高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)」で示されているもので、変更はされていません。

この「160/100」という数値は、**高血圧の“診断基準”ではなく、“受診を勧める目安”**として使われているものです。

令和6年度から始まった「特定健診(いわゆるメタボ健診)」の制度において、

治療が必要とされながらも病院を受診していない方に対して、

健診機関(協会けんぽなど)が
「すぐに病院を受診してください」と強く促すための基準が「160/100」なのです。

つまりこれは、**治療が行われていない高血圧の方への“注意喚起のライン”**であり、一般的な高血圧の基準が変わったわけではありません。

日本高血圧学会も、以下のように説明しています。

160/100以上の方は →「すぐに医療機関を受診してください」

140~160/90~100の方は →「生活習慣を見直しても改善しないなら受診してください」

特に後者の方は、放っておくと脳卒中や心臓病のリスクが3倍以上になることがわかっています。


日々の生活習慣(減塩・運動・体重管理など)がとても大切です。

おそらく、今回の混乱は「特定健診での受診勧奨基準」として使われている160/100という数字だけが一人歩きしてしまったことに原因があります。

実際には、診断基準が変わったわけではありませんし、協会けんぽの基準も何も変更されていません。

また、この「160/100」という数字は、


治療を受けていない方への“公衆衛生上の通知”として、例外的な判断に基づくものです。


「基準が160に変わった」というのは誤解です。


もし血圧が140/90を超えていたら、生活習慣の見直しを。そして数値が下がらなければ、早めの受診をおすすめします。

気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
当院では、丁寧に血圧管理のサポートをしています。


※参考:

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