外来
平日
受付
9:00-12:30
13:30-17:15
診療
9:30-
14:00-
土曜
受付
9:00-12:30
診療
9:30-

脂肪筋?

脂肪筋?

この街の桜も既に満開です。この週末まで持ってくれると嬉しいです。

運動をして、カロリーを使って血糖が下がるはずだ。
だから運動をして体重を減らそう。体重が減るということは、皮下脂肪、内臓脂肪などが減り、ゆくゆく血糖が下がる。
でも、運動をしても体重が減らない!  1ヶ月続けたけど、減らない!
運動しても成果がでないじゃないか?!
だんだん運動に対してのモチベーションが落ちてくる。

こんな経験をしたことが無いでしょうか?

今回のキーワードは
「異所性脂肪」です。

筋肉の細胞の中に脂肪がたまってしまうことが、インスリン抵抗性を増す。

そんな話を、先日都内の私立医科大学糖尿病内科の准教授の講演会で聞きました。
これは目から鱗、でした。

霜降り肉はご存知と思います。
筋肉の中の脂肪というと、この「霜降り肉」を思い出します。
しかし、今回の「異所性脂肪」はこの脂肪ではなく、さらに筋肉の奥(細胞内)にある脂肪のことです。この脂肪が多くなると、「脂肪筋」という状態になるそうです。

しかし、運動をすることで、この「脂肪筋」は改善されることも実証されているという話です。「脂肪筋」が改善されるとインスリン抵抗性が改善され、血糖が下がってくる。
体重が減らなくても「脂肪筋」が改善されれば血糖が下がる。
だから、「脂肪筋」が改善される運動をしていれば、体重が下がらなくても血糖はさがるという話です。
どれくらいの運動をしたら効果が出るのか?ですが、
毎日 20分(2,000 歩)程度のしっかりした運動を上乗せして行うと、 HbA1c値 約0.7% の低下が期待できるそうです。
また、 2週間続けることにより筋肉でのインスリンの働きが 60%も良くなるそうです。

時間が無くて運動ができない!
まとまった時間がなくてもコマ切れの運動を積み重ねることでも効果があるそうです。
中強度で 10分歩くと約1,000 歩になります。これを一日 2回やればどうでしょう?
なんとかやれそうな気になってきます。
早歩き、階段、スクワット、などが日常的にできる運動として紹介されています。

見た目には痩せていても、日本人の場合は「脂肪肝」「脂肪筋」になりやすいそうです。
見た目では判断できない。これは細胞内の脂肪の話です。
「脂肪筋」の良い指標は「 GPT」だそうです。
「 GPT」が25 を超えると「脂肪肝」「脂肪筋」になっている可能性が大きいという実験結果があるようです。
高脂肪食は「脂肪肝」「脂肪筋」を作ります。この「脂肪筋」は焼肉弁当を 3個食べるだけでも大幅に増えてしまうという実験結果が出ているようです。
でも運動をすればすぐに改善されるようです。
その日の脂肪はその日のうちに対処すれば大丈夫です。

運動することで、がんも予防できます。確実なのは「大腸がん」、ほぼ確実なのは「乳がん」「子宮体がん」と言われているようです。

この日の講演会は非常にわかりやすく、薬の話に終始する講演会が多い中、とても身になる話でした。

さあ、今日の帰り道から駅の階段を使って、夕食後にスクワットに挑戦します。

一覧へ