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「お腹が空いた」と「お腹いっぱい」の不思議!健康的な食欲コントロール術

皆さん、こんにちは!上田診療所院長の上田です。

「食欲の秋」なんて言葉もありますが、皆さんは普段、ご自身の食欲について深く考えたことはありますか?

「ついつい食べ過ぎちゃう…」「なぜか甘いものがやめられない…」そんなお悩み、実は体の複雑なメカニズムと深く関係しているんです。

今日は、私たちの体の 「食欲の仕組み」 を紐解きながら、健康的に食欲をコントロールするためのヒントをお伝えしたいと思います。

読んでいて「なるほど!」と思っていただけると嬉しいです!



「お腹が空いたな」「もうお腹いっぱい!」と感じる時、実は脳の中にある 「視床下部」 という司令塔が活躍しています。

ここには、食欲を刺激する「空腹中枢」と、食欲を抑える「満腹中枢」という、まるでアクセルとブレーキのような部分があるんです。

このアクセルとブレーキの働きをコントロールしているのが、様々なホルモンたちです。

●グレリン

 胃から分泌され、「お腹が空いた!」という信号を脳に送るアクセル役。

●レプチン

 脂肪細胞から分泌され、「もうお腹いっぱいだよ」と脳に伝えるブレーキ役。


GLP-1、CCK、PYY

 食事が腸に届くと腸から分泌され、満腹感を高めるブレーキ役たち。

これらのホルモンがバランス良く働くことで、私たちは適切に食事を摂ることができる仕組みになっているんですよ。



ところが、食欲にはもう一つの重要な側面があります。それが 「快感摂食」 と呼ばれるものです。

皆さん、こんな経験はありませんか?

これは、体が必要とするエネルギーとしての空腹ではなく、 「美味しいものを食べることで得られる快感」 を求めてしまう状態なんです。

脳の中には「報酬回路」という快感を感じる部分があり、嗜好性の高い食べ物、つまり甘いものや脂っこいものを口にすると、この回路が活性化して「もっと食べたい!」という欲求が湧き上がってしまうのです。

さらに、ストレスや睡眠不足も食欲のバランスを乱す大きな要因になります。

ストレスを感じると、空腹ホルモン「グレリン」が増えたり、睡眠不足だと満腹ホルモン「レプチン」が減ったりして、いつも以上に食欲が増進してしまうことがあるんですよ。



では、この複雑な食欲の仕組みを理解した上で、私たちが今日から実践できる食欲コントロール術をご紹介しましょう!

① 食べる順番を意識する「ベジファースト&プロテインファースト」

食事の最初に、野菜やきのこ類から食べ始め、次にお肉やお魚などのタンパク質、最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べるようにしましょう。

野菜の食物繊維が糖の吸収を穏やかにし、タンパク質が満腹感を高めてくれます。血糖値の急上昇を抑え、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できますよ。

② 良く噛んで、ゆっくり味わう「丁寧食べ」

「早食いは太る」とよく聞きますよね。

これは、食べ始めてから満腹信号が脳に届くまでには約15~20分かかるためです。

一口あたり30回程度を目安によく噛むことで、脳が「もうお腹いっぱいだよ」という信号をしっかり受け取りやすくなり、食べ過ぎを防げます。味わって食べることで、食事の満足感も高まりますよ。



③ 食事の時間と量を整える「規則正しいリズム食べ」

食事を抜いたり、極端に間隔が空いたりすると、次の食事で反動で食べ過ぎてしまうことがあります。

1日3食、規則正しい時間に食べることを心がけましょう。

特に朝食は、血糖値のコントロールを助け、食欲を安定させるために大切です。



④ 器を小さく!「見た目のマジック」

同じ量でも、大きなお皿に盛ると少なく見え、小さなお皿に盛ると多く見えるもの。

お気に入りの小さめの器を使うことで、視覚的に満足感が得られ、無理なく食べる量を減らすことができますよ。



⑤ 精製されていないものを選ぶ「賢い炭水化物チョイス」

白いご飯やパンよりも、玄米や全粒粉パン、そばなど、食物繊維が豊富な炭水化物を選ぶようにしましょう。

これらは血糖値の急上昇を抑え、満腹感が持続しやすいというメリットがあります。





いかがでしたでしょうか?食欲は単なる「食べたい」という感情だけでなく、私たちの体の様々な機能が織りなす奥深い現象です。

健康的な食習慣は、単に体重を減らすだけでなく、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防・改善にも繋がります。

もし、ご自身の食欲コントロールに悩んだり、健康的な食生活についてもっと詳しく知りたいと思ったら、ぜひ当院にご相談ください。

皆さんの健康な毎日をサポートするために、私たちがお手伝いさせていただきます。

食欲のコントロールは、まるで車の運転のようです。

アクセル(空腹感)とブレーキ(満腹感)のバランスを上手に取り、時には燃料補給(必要な栄養摂取)を、そして時には休憩(快感摂食への対処)を取りながら、安全運転で健康という目的地を目指しましょう!

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