糖尿病の薬 αグルコシダーゼ阻害剤
- 糖尿病
1993年頃から使われている薬です。この薬が出てくる前は血糖を1日中下げる薬であるSU剤しかありませんでした。この薬は食後の血糖のみを下げることができるという意味で画期的な薬としてデビューしました。
炭水化物を摂ると血糖が上昇します。炭水化物(多糖類)は消化液(唾液など)でブドウ糖(単糖類)に分解されます。(多糖類⇒二糖類⇒単糖類)
ブドウ糖が吸収され血液の中に入っていきます。これが血糖上昇のメカニズムです。
作用
このαグルコシダーゼ阻害薬は、多糖類⇒二糖類⇒単糖類の過程の、2番目の二糖類から単糖類に分解する酵素であるαグルコシダーゼをダメにする薬です。
その結果、単糖類(ブドウ糖)の吸収が遅くなり血糖上昇のスピードが置くなるのです。
特徴
この薬は1型糖尿病、2型糖尿病の両方に使うことができます。また、医師が必要と判断すれば糖尿病予備軍の方にも使うことができます。
注意点
食事の直前に内服する必要があるということです。食後では効果が期待できません。
また、この薬のみでは理論上低血糖にはなりませんが、他の薬と併用している際に低血糖を起こした場合には注意が必要です。
多糖類、二糖類の吸収をきわめて遅くしてしまうので、低血糖の際には単糖類を摂ることで症状を改善するしかないのです。一般に「砂糖」はショ糖と言われ二糖類です。
ですから、この薬を内服している方が低血糖を起こした際には「砂糖」を舐めても回復しません。
ブドウ糖を使う必要があります。身近なところではコカ・コーラなどはブドウ糖です。また、腸管のガスが溜まりやすくなります。腹部膨満やおならが出やすくなりますが大きな障害にはなりません。
但し、腹部の手術を行った方などは腸閉塞になる可能性があるので注意が必要です。
代表的な薬
グルコバイ、ベイスン、セイブル、等です。