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産業医研修会

今回は

・職場のハラスメント

・with コロナのメンタルヘルス

・職場の新型コロナウィルス感染症対策 

・労災認定の最近の状況について

・職場の化学物質管理が変わる

の5つの講演です。

「with コロナのメンタルヘルス」

新型コロナ感染症の様な未知の感染症が猛威を振う際に、人はどのような反応をするのか?

 そして、

起こった事態をどのように理解して対応し、乗り越えていけるのか、

を分かりやすく説明していただきました。

また、最近よく言われている

マインドフルネス

に関しても分かりやすい切り口で講演をして頂きました。

コロナ感染症で起こった変化を

人生の1部として受け入れる。

目標設定を現実的なものに設定しなす。

回避するのではなく、積極的に関わり決断を行う行動をとる。

など、人生にもあてはまる示唆ある提言を頂きました。

また、

マインドフルネス実践の心構えとして

今・この瞬間に

「注意を向けられるようになる」

のではなく

今・この瞬間に

「注意を向けようとしたときに」

「何が起きるかを観察できるようになる」

ことであるという話は

あー、そういうことだったのかと得心できるものでした。
演者の 東京都済生会中央病院、白波瀬丈一郎先生の語り口は非常に穏やかで聞いている側の心を安心させつつ、説得力のある講演でした。

職場の新型コロナウィルス感染症対策 2021年現状のポイント

職場感染症対策と産業医の役割

について総論と各論の講演です。

職場では感染症に対しての基本方針を繰り返し、定期的に明示することが重要。

職場の感染症対策チェックリスト(厚生労働省)の活用。

会社・部署対策レベル設定と3密対策強化

 (イベント、出張に対する考え方など)。

在宅勤務時のチェックリスト(厚生労働省)の活用。

COVID-19感染者・疑似症者の業務復帰(10-3ツールなど)。

ワクチン+検査パッケージの社内運用。

情報源を有効に使う

(こびナビ、コロワくんサポーターズ、厚生労働省コロナワクチンナビ)。

 など

また、

産業医面接のオンライン対応についての条件として

担当医が

事業場の産業医である。

少なくとも過去1年以上の期間、事業場の労働者の日常的な健康管理業務を担当。

過去1年以内に事業場を巡視したことがある。

過去1年以内に直接対面による指導等を実施したことがある。

の何れかに該当し

かつ、

顔の見える媒体の使用、情報セキュリティ確保、衛生委員会での労働者周知、労働者プライバシー配慮、緊急時対応、

が必須。

等を

東京大学の黒田玲子先生に

分かりやすいスライドを多数使って、明晰なトークで素晴らしい講演していただきました。

労災認定の基本的な考え方と最近の状況について

労災保険の適応を

業務災害、通勤災害などの実例を含めて分かりやすく説明をして頂きました。

新しい話として

脳心臓疾患の労災認定基準 改正に関するポイントとして、発症前に100時間又は2か月間ないし6か月にわたって1か月あたり80時間以上が条件でしたが、この時間に満たない場合でも「一定の労働時間以外の負荷要因」があれば労災認定される。

兼業における労災保険給付が変わる(令和2年9月から)について、2つの会社に勤めている場合(複数事業労働者)は今までは片方の会社のみの労災給付であったのが、双方からの労災給付が認めれれるようになった。

と同時に

2つの会社の状況を総合的に判断して労災給付が行われる。

という説明を東京労働局の堀池課長からして頂きました。

職場の化学物質管理が変わる

厚生労働省から本年7月に

「職場における化学物質等の管理の在り方に関する検討会」の報告書が提出されました。

化学物資の管理の在り方を大きく見直すことが提言されています。

今後、厚生労働省から正式な連絡があるはずとのことです。

化学物質の管理が「法令の規制」から「自主的な管理」に変わる。

SDSの交付が700物質から2900物資に増える。

化学物質管理者の選任義務。

がん発生時の報告義務。

が定められるという話です。

今までは化学物質管理を法令の規制で行って来ましたが、次々と新たに発がん物質が出てくるので、法令での管理では追い付かず出てきては法令で追加、法令で追加しても現場では他の物質で代行し、更に発がん物質が出てくる、等の「イタチごっご」となっているそうです。

そこで、「暴露管理値」を設定し、事業主自らが「自主的な管理」をしてもらう、という方向に舵を切ったという話です。

その管理方法はどのような形でも良く、現場に任せるということです。

また、産業医としては

これら化学物質の健診の実施の際に、産業医からの助言をもとめることになるので準備が必要ということです。

これに関しては今後、判断しやくする情報を開示して下さるそうです。

東大の山本健也先生の講演は、ビジュアルを中心としたスライドで語り掛ける形の講演でした。

ゆっくりした話し方は分かりやすく難しい話をすっきり頭に入れることができました。

産業医業務も、次々と新しい施策が出てきて頭の中をアップデートしていかなくてはいけません。

変化を人生の1部として受け入れる、積極的に関わり決断を行う行動をとる、
と言う今日の白波瀬先生の講演に通じるものがあると感じたところです。

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