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「夜中に何度もトイレに…」それ、年のせいだけじゃないかも!~快適な眠りを取り戻すために~

夜間頻尿:年のせいだけじゃないかも!

「夜中に何度もトイレに…」それ、年のせいだけじゃないかも!
~快適な眠りを取り戻すために~

皆さん、こんにちは!上田診療所院長の上田です。

「また夜中に目が覚めてトイレに…」「朝までぐっすり眠れたのはいつのことだろう?」

そんなお悩みを抱えていませんか?夜間頻尿は、年齢を重ねるにつれて増える症状ではありますが、実は 「年のせい」と諦めてしまうにはもったいないほど、様々な原因が隠れていることが多いんです。 そして、その原因を知り、適切に対処することで、夜間の快適な睡眠と、日中の元気を取り戻せる可能性がたくさんあります!

当院では、皆さんの夜間頻尿のお悩みを、体全体の健康状態や生活習慣からじっくりと拝見し、一緒に解決の糸口を探していきます。

夜間頻尿のイメージイラスト

夜中に目が覚める「本当の理由」って?意外な原因が隠れているかも!

夜間頻尿の原因は、大きく分けて3つのタイプがあります。まるで推理小説の犯人探しのようですが、これらが単独、あるいは複雑に絡み合って症状を引き起こしていることがほとんどなんです。

「夜間多尿」タイプ:寝ている間に尿がたくさん作られすぎている!

これが、実は夜間頻尿の一番多い原因なんです。「水を飲みすぎているから?」と思われるかもしれませんが、それだけではありません。例えば…

  • 塩分、摂りすぎていませんか? 現代人は知らず知らずのうちに塩分をたくさん摂りがち。腎臓が元気な日中に塩分を全部出しきれず、「塩分の宿題」を夜に持ち越してしまうと、寝ている間に尿量が増えてしまうことがあるんです!減塩が、このタイプの夜間頻尿にはとっても大切なんですよ。
  • 足のむくみ、気になりませんか? 昼間に足にたまった水分が、夜、横になると心臓に戻り、尿としてたくさん排泄されることで夜間頻尿になるケースもよく見られます。これは、高血圧や心不全など、心臓や血管のトラブルが隠れているサインかもしれません!
  • 「生活習慣病」とのつながりも! 糖尿病や腎臓の機能低下、さらには睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」なども、夜間多尿の原因となることがあります。
夜間多尿のイメージイラスト

「膀胱蓄尿障害」タイプ:膀胱が尿を十分にためられない!

膀胱が小さくなってしまったり、尿をためる機能が落ちてしまったりする状態です。

  • 「過活動膀胱(OAB)」 急に強い尿意を感じて我慢できない「尿意切迫感」が特徴の病気です。夜間頻尿もよく伴います。
  • 男性の皆さんへ「前立腺肥大症」 肥大した前立腺が尿の通り道を圧迫し、膀胱に負担がかかることで、十分に尿をためられなくなることがあります。
膀胱のイメージイラスト

「睡眠障害」タイプ:そもそもぐっすり眠れていない!

夜間頻尿は睡眠の質を下げ、さらに睡眠障害が夜間頻尿を悪化させるという、ちょっと困った悪循環に陥ることもあります。

  • 「不眠症」 夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」があると、そのたびに「ついでにトイレに行っておこうかな?」と尿意を感じやすくなります。一度目が覚めると、なかなか寝付けない…そんな経験はありませんか?
  • 「睡眠時無呼吸症候群」 いびきがひどい方、日中に強い眠気がある方は要注意です。睡眠中に呼吸が止まることで体内の状態が変化し、尿量を増やすホルモンが分泌されてしまうこともあります。
睡眠障害のイメージイラスト

もしかして、夜間頻尿は「体のSOSサイン」?

夜間頻尿は、ただのおしっこの問題だと軽く見られがちですが、実は様々な全身の病気のサインであることも少なくありません。

  • 高血圧:夜間頻尿のある方は、高血圧を合併している可能性が2倍になるという報告もあります。
  • 心不全:足のむくみがひどい方は、夜間多尿のリスクが高まります。
  • 糖尿病:血糖値が高いと尿量が増えますし、糖尿病による神経障害も夜間頻尿に関わります。
  • 腎臓病:腎機能の低下も夜間頻尿として現れることがあります。

このように、夜間頻尿は、皆さんの体の健康状態を映し出す鏡のようなもの。放置すると、生活の質(QOL)を大きく低下させ、場合によっては転倒のリスクや生命予後にも影響すると言われています。

体のSOSサインのイメージイラスト

今日からできる!夜間頻尿改善のヒント

さあ、ここからは皆さんがご自宅でできる簡単な改善策をご紹介します。まずは、ご自身の状態を知ることから始めましょう!

「排尿日誌」をつけてみよう!

夜間頻尿のタイプを診断するために、「排尿日誌」をつけることが、とても重要なんです。 排尿した時間と量、飲んだ水分量などを記録するだけですが、ご自身の生活習慣と症状の関連性が見えてくるだけでなく、診察の際にも大きなヒントになります。ぜひ、3日分以上の記録を持ってきてくださいね!

排尿日誌のイメージイラスト

「水分と塩分」を見直そう!

「水分はたくさん摂った方が健康に良い」と思われがちですが、実はそのタイミングと量が大切です。 特に、就寝前の水分、そして利尿作用があるカフェイン(コーヒー、お茶など)やアルコールは控えめにしましょう。 1日の水分量は、体重の約2%程度(体重60kgの方なら約1.2リットル)を目安にしてみてください。

減塩は、夜間頻尿改善の強い味方です!無理のない範囲で、少しずつ塩分を減らしていくことが、夜間の尿量を減らすことにつながります。

水分と塩分のイメージイラスト

「むくみ」対策で、夜間頻尿を減らそう!

昼間に足にたまった水分が夜間に尿になるのを防ぐために、以下の工夫が有効です。

  • 夕方にウォーキングをする
  • 寝る前に足を少し高くして寝る(30分程度の昼寝も効果的)
  • 日中に弾性ストッキングを着用する
むくみ対策のイメージイラスト

「眠り」の質を高めよう!

良質な睡眠は夜間頻尿改善の鍵です。

  • 規則正しい生活リズムを心がけ、朝はしっかり日光を浴びて体内時計をリセット。
  • 寝る前にはスマートフォンなどの強い光を避け、リラックスできる環境を整えましょう。
  • 軽い夕方の運動も、睡眠の質を高める助けになります。
  • 禁煙も夜間頻尿改善につながることが報告されています。
良質な睡眠のイメージイラスト

「一人で悩まないでください!」当院がお手伝いできること

ここまで、夜間頻尿の様々な原因やご自身でできる対策をご紹介しましたが、「結局、自分の原因は何だろう?」「どうしたらいいか分からない…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ご安心ください。夜間頻尿は、複数の原因が絡み合っていることが多く、自己流で全て解決するのは難しい場合もあります。 特に、心臓や腎臓、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群といった内科的な病気が隠れている可能性も十分に考えられます。

過活動膀胱や前立腺肥大症による夜間頻尿には、症状を和らげるお薬も有効です。 また、不眠が強い方には、従来の睡眠薬とは異なる新しいタイプのお薬(メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬など)を検討することも可能です。

夜間頻尿は、諦める必要のない症状です。どうぞ、お気軽に当院にご相談ください。 私たちと一緒に、夜ぐっすり眠って、日中も元気いっぱいの毎日を取り戻しましょう! 次回は更に詳しい病気の話を用意します。 ご期待ください!

医師と患者のイメージイラスト
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