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メソトレキサートと生物学的製剤の簡単な話

メソトレキサート(MTX)

ご存じの方は多いと思いますが、メソトレキサートは関節リウマチにおける中心的な薬です。
関節痛、関節変形などを抑える効果が高い薬です。

しかし、MTXは場合によっては副作用が出ることもあります。特に高齢の方の場合は副作用が強く出る可能性が高くなります。

具体的には

肺が硬くなるような肺炎を起こしたり、リンパ節が腫れてしまうようなリンパ腫を起こすことがあります。
内服を中止することで、リンパ腫は半数近くの方は良くなりますが残りの半数はしっかりとした治療が必要になります。
副作用が出現しないようにするために、
どんな症状が副作用で出てくるかを知っておく。
症状が安定している時に薬の減量を考えておく。
がポイントです。

また、MTXは免疫を抑制する薬なので、開始する前に感染症の検査をしっかりしておく必要があります。
肝炎、肺炎、カビ(真菌)、結核、等の検査は必須です。
また、毎月の血液検査で肝機能、貧血、白血球などの数値を確認する必要があります。
そんな薬ですが関節リウマチには良く効き、無くてはならない薬です。

ではどれくらいのリウマチ患者さんがMTXを使っているのでしょうか?
リウマチ友の会アンケートでは65%のリウマチ患者さんがMTXを服用しているようです。

副作用などでMTXが使えないような場合は、その次にどんな薬を使えるのかが気になるところです。
MTXが効いていたのに、副作用が出てしまったためにMTXが使えなくなった場合は問題は切実です。

他の内服リウマチ薬(csDMARDs)も選択肢に入ってきますが、症状が強い場合は
MTXよりも副作用が少なく、同等かそれ以上の効き目のある生物学的製剤が効果が高く良く使われます。

生物学的製剤(bDMARD)

関節の破壊が止まる、修復される、痛みが消失する、等
60~70%の方が効果を実感されている、約50%の方は完全寛解(痛みをほとんど忘れる状態)となっています。(リウマチ友の会アンケートより)

現在8種類の生物学的製剤が使えますが
それぞれ作用の仕方が異なり
TNFα阻害薬
IL-6受容体阻害薬
T細胞選択的共刺激調節剤(CTLA4)
に分類されます。

どの生物学的製剤が良いというはっきりしたデータは無いようです。

コストは、加入している保険組合によって差がありますが、
大体2~4万円/月です。

分子標的型抗リウマチ薬(tsDMARD)

内服の強い薬も出てきました。
JAK阻害薬(tsDMARD) という薬です。5種類あります。それぞれ若干性質が異なります。
効果は強く、生物学的製剤と同等かそれ以上と言われていますが、
日本では現在5%の方が使っているようです。
その中で効果を実感しているのはその中の50%くらいです。(リウマチ友の会アンケートより)

今後は
MTXの詳しい話
生物学的製剤(コストも含めて)
JAKの話もしたいと思います。

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