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足の関節リウマチ|セルフケア・運動療法・インソール…まずは「手術をしない」保存療法から

今回は、多くのリウマチ患者さんがお悩みの「足の関節リウマチ」の治療について、皆さんに分かりやすいように解説したいと思います。足の痛みや変形は、日常生活に大きく影響するため、適切な治療とケアが非常に重要です。



足の関節リウマチ治療の基本は、手術をしない保存療法です。まずは日々のセルフケアから始めましょう。

●1.足の清潔と保湿を徹底する。

普段から足を清潔に保ち、保湿クリームやワセリンなどでしっかりと保湿することが大切です。これにより、皮膚の乾燥やトラブルを防ぎます。

●2.運動療法で足の柔軟性を保つ。

固まってしまいがちな足の関節の動きを良くするために、運動療法を行います。

「ホーマン体操」は、両側の母趾(足の親指)にゴムバンドをひっかけ、足を開く運動でよく知られています。

簡単な運動として、いすに座って「かかと落とし」(つま先を上げてかかとを下ろす)や、つま先立ちで「つま先上げ」(かかとを上げてつま先で立つ)などが有効です。無理のない範囲で試してみましょう。日常生活でも足が硬くならないように準備しておくことが大切です。

●3.装具療法で負担を軽減する。

足にかかる負担を減らし、痛みを和らげるために装具を使います。

具体的な装具としては、足底または足の胼胝(たこ)に貼って圧を減らすスーパー・トービックやパッドなどがあります。

比較的足の変形が進んでいない場合には、インソール(足底装具)を作成することもあります。



保存療法をしっかりと行っても、以下のような状態が続く場合は、手術療法を検討するサインかもしれません。

•歩行時に足底や足の親指の付け根の痛みが持続する。

•足の親指の付け根に胼胝(たこ)ができやすく、感染を繰り返してしまう。

特に、胼胝の感染を繰り返している場合、感染が治まるまではリウマチの薬物療法を中止したり、リウマチ自体の痛みが強くなったりすることがあります。さらに、感染が骨まで進行すると骨髄炎となり、治療が非常に難しくなります。

手術を検討する際は、日常的なケアで足の関節があまり硬くならないように準備しておくことが望ましいです。



足の関節リウマチに対する手術療法には、主に以下の2種類があります。

●1.中足骨骨頭温存術(ちゅうそくこつこっとうおんぞんじゅつ)。

これは、足の甲にある中足骨の骨頭(関節の丸い部分)を温存する(残す)手術です。

歩行時に骨頭に荷重がかかりながら踏み返し動作を行うため、この骨頭を残すことで、より自然な足の機能を目指します。

骨頭を温存するために、中足骨の中央やより遠位で骨を切ります。切る方法は施設によって異なります◦

メトトレキサートや生物学的製剤などの薬物療法の進歩に伴い、自分の関節を残せる可能性があることから、最近普及してきた手術方法とされています。

この手術を選択できる患者さんの条件としては、レントゲン写真で中足骨骨頭の関節が比較的残っていること(多少骨破壊があっても可能)、リウマチの疾患活動性コントロールが良いことなどが挙げられます。リウマチのコントロールが悪いと、外反母趾や胼胝の再発・脱臼の可能性があるためです。

●術後のリハビリテーション(一例):

▪手術後2週間は足を高く上げて安静にします。移動は車いすです。

▪安静中にリハビリで筋力トレーニングなどを行います。

▪手術後2週間後(一般的には第2から5趾のワイヤー抜去後)に、足底の可動域訓練を開始します。

▪術後2週半ば頃に、自分の足に合った足底装具を作成・装着し、装具が出来上がってから(型取りから約1週間後)、装具を使用して全体重で歩行訓練を開始します。

▪訓練が得られていれば、退院を検討します。

●2.切除関節形成術(せつじょかんせつけいせいじゅつ)◦

これは、文字通り関節を切除してしまう手術方法です。

以前から行われている歴史のある手術方法です。

切除関節形成術を受けた患者さんは多くいる一方で、長期間経つと足底の胼胝や外反母趾の再発および足趾の脱臼の再発が報告されています。

術後のリハビリは、中足骨骨頭温存術と基本的に同じです。



足の関節リウマチ治療は、まず日常的なケアや運動療法、装具療法といった保存療法から始めます。これらの保存療法で症状の改善が見られない場合は、主治医と相談し、手術療法を検討することが次のステップとなります。

普段から自分の足をよく観察し、丁寧なケアを行い、足趾(足の指)の可動域訓練を行いましょう。足の胼胝や足の親指の付け根に痛みがあるときは、かかりつけのリウマチ主治医に相談してください。

毎週火曜日午後、第1内科は順天堂御茶ノ水病院で外来をやっている先生が診療に当たっています。

優しくて丁寧すぎる診察を受けたい方は是非、火曜日午後の第1内科を受診してください。

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